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Mr.Children「渇いたkiss」歌詞の意味・考察

隠れられなかった名曲「渇いたkiss」

渇いたkissはなぜこうも支持され続けているのだろうか?

どうも、Mr.Childrenコピーバンド(ミスチルカバーバンド)Mr.Kidsギター担当のTAKEYAです。 シングル曲ではないけれど、ミスチルファンの間で人気のあるアルバム曲って沢山ありますよね。 今回は、そんな隠れたMr.Childrenの名曲…いや、隠れられなかった名曲「渇いたkiss」にスポットライトを当てて、その人気の理由を歌詞から紐解いていきたいと思います! 「へぇ〜そういう解釈もあるのか〜」といった気楽な感じで読んでいただけたら嬉しいです。それでは渇いたkissの歌詞の意味・考察をしていきましょう!

「渇いたkiss」二人の登場人物

渇いたkissの登場人物二人

先ず、歌詞を読み解く上で改めておさえておきたい情報があります。

それが登場人物の二人です。

主人公の「」、そして恋人の「」。

二人は恋人同士という関係性です。

渇いたkissの歌詞には、この二人の恋模様が描かれているんですよね。

「渇いた」の意味と主人公の行動

渇いたの意味

歌詞考察の前に「渇いた」の意味と主人公の行動をおさらいしておきましょう。

先ずは、上の図をご覧ください。

左上「渇いた」の意味は、皆さんもご存知かと思いますが「水分を欲している状態」を表しています。これを歌詞になぞって解釈すると、主人公である僕が「愛情を欲している状態」であると置き換えることが出来ます。

では、なぜそんな状態に陥ってしまったのでしょうか。それは、恋人である君の心が離れつつある状況だからです。

そこで、主人公の僕は「とにかくなんとかしたい!」そう思い立ち、恋人の君に対して【とある行動】を取ります。

それが

 

kiss

 

 

そう、キスです。

果たして主人公の僕は、キスの力によって離れていった恋人の気持ちを取り戻すことが出来るのでしょうか…?

先に結論を言ってしまうと…

だめだった

やっぱりダメでした。結局この二人は別れます。

ミスチル桜井和寿が描く失恋ソング

渇いたkissの歌詞のストーリーが「失恋」である事はお分かりいただけたかと思いますが、そんな恋人との別れ・悲劇をMr.Children桜井和寿さんは、一体どの様な歌詞で表現したのでしょうか。

ミスチルにどっぷり浸かったコアなファンの方も一歩外に出て、俯瞰してミスチルのイメージを想像していただきたいのですが、おそらく多くの方がミスチル(の歌詞)に対してこんなイメージを持っているのではないでしょうか。

ミスチルのイメージ

実際に、ミスチルの曲に救われた、前向きになれたという話は、これまでに僕の周りだけでも相当耳にしてきました。全国規模であればその数は計り知れません。

そんなミスチルの前向きなイメージを踏まえた上で、改めて「渇いたkiss」がどんな歌かというと…

とてつもない未練の歌

別れた恋人に対する「とてつもない未練」なんですよね。

ですが皆さん、安心してください。桜井さんの詩の世界は、とても深いです。

この未練という闇から見えてくる光、感じ取れる何かが、このあとの歌詞考察によって明らかになっていきます。

未練歌「渇いたkiss」3つの時系列

では、最後の事前情報として「3つの時系列」を押さえておきましょう。

3つの時系列

渇いたkissの歌詞には3つの時系列が存在します。

先ず1つ目、過去の「LOVE期」。主人公と恋人がラブラブだったからLOVE期と名付けました。安直ですみません(笑)

この時期は、線香花火ではしゃぐ様子だったり、日焼けの痕を気にする彼女の仕草など、二人のハッピーな思い出が歌詞の中に出てきます。

 

2つ目は、こちらも過去で「倦怠期」。

冷めた恋人の様子や渇いたキス力のない瞳僕という過去などといったネガティブな表現が多数出て来ます。主人公の「もうダメかも…」そんな気持ちなんかも表現されています。

 

そして3つ目、「現在」。

恋人と別れて一人ぼっち、故に「ぼっち期」です。

切ない夢日常風景胸の痛みケロイドなどが歌詞の中で表現されています。「ケロイド」という単語だけだと意味不明ですが、これも考察の中でその意味を解き明かしていきます。

では、お待たせしました!ここからが渇いたkiss歌詞の意味・考察のスタートです!

生温い空気

生温い空気

生温い空気がベッドに沈黙を連れてくる
もう うざりしてるのは僕だって気付いてる

出だしから不穏な空気が流れています。こちらは、時系列でいうと過去の【倦怠期】ですね。

歌詞に出てくる”生温い空気”ですが、分解して解釈すると、より意味がわかり易いです。

生温い=熱+冷

この「熱」と「冷」は、歌詞の中の「僕」と「君」に置き換える事ができます。

つまり、”生温い空気”とは、「彼女の気持ちだけが冷めている」そんな関係性、互いの熱量を表現しているんですよね。

そして”もううんざりしている”とは冷め切った彼女の感情で、主人公の僕もそれに気付いています。

この歌詞の部分を私TAKEYAがわかりやすく変換するとこうです。

“一方通行な愛情表現に会話のない二人

心変わりしてしまった君に僕も気付いている”

渇いたKiss

渇いたKiss

君が最後の答えを口にしてしまう前に
渇いたキスで塞いでしまう
それでなんとか今をしのげればいいのに

“キスで塞いでしまう”という部分に主人公「僕」の一方的な強引さを感じます。

“最後の答え”とは「別れの言葉」です。それをさせまいとする主人公の行動が渇いたキスだったんですよね。

では、TAKEYA変換していきます。

“君が別れを切り出す前に

キスで僕への愛を思い出して欲しい

それでなんとか思い止まってくれたらいいのに”

カンのいいオトコ

カンのいいオトコ

いつからか君は取り繕い 不覚にも僕は嘘を見破り
よくあるフォーマットの上
片一方の踵で乗り上げてしまうんだ

これぞまさに桜井節といったお洒落な表現が出て来ましたね。

ここでの”取り繕い”とは、「愛情の無い恋人という形だけの付き合い」を表しています。

“よくあるフォーマット”とは、「よくある失恋パターン」。

“片一方の踵で乗り上げてしまうんだ”とは、「回避できない状況」を表しています。 

TAKEYA変換すると

“君は恋人だけど僕に対する愛情はもう無いのだろう

「恋人の心変わり」というよくある失恋パターンに

僕は陥ってしまったんだ”

僕という過去

僕という過去

誰かが禁断の実摘み取り 再び次の果実が実る
揺るぎのない決心に凍りつく顔
力のない瞳が映すのは 僕という過去なんだ

寒々しい表現が続きます。

“禁断の実”は、彼女の「愛」、”摘み取り”は「奪うこと」を意味しています。

つまり、彼女の愛が誰かに奪われるという事です。

“揺るぎのない決心”とは、彼女が抱く「別れの決意」

“僕という過去”とは、「君にとって僕はもう過去の人(元カレ)」を意味し、主人公自身がそれを自覚してしまっている。そんな状況なんですよね。

変換します。

“僕の知らない誰かが君の愛を奪い

そうしてまた新しい愛が育まれる

君からの別れの言葉に凍りついた僕

君の瞳に映る今の僕は 君からすればもう過去の人なんだ”

線香花火

線香花火

くたびれたスニーカーがベランダで雨に打たれてる
線香花火 はしゃいでた記憶と一緒に

この部分には、時系列「LOVE期」を思い出すキッカケのシーンが出て来ます。

“くたびれたスニーカー”については、”くたびれた”とは「時間の経過」 を、”スニーカー”とは「捨てられない君のスニーカー」をそれぞれ表しています。

“記憶と一緒に”とは「記憶を重ねている」という表現です。

それらの意味を踏まえて変換するとこうです。

“あの日からずっとベランダに置き去りにしてある 君のスニーカーが雨に打たれている

それを見て僕は 君と一緒に線香花火ではしゃいでいた あの夏の記憶を思い出す”

こころ掻き乱される

こころ掻き乱される

日に焼けたショーツの痕をやたら気にしてたろう
あんなポーズが この胸を今もかき乱しているとは知らずに
Oh Baby Don't go

自分を俯瞰してどこか強がっていた、そんな主人公の本音が垣間見えるシーンです。

時系列は、過去の思い出「LOVE期」から現在の「ぼっち期」へと移り変わって行きます。

“ショーツ”とは、おそらく「下着」のことでしょう。

“Oh Baby Don’t go”とは、「一人にしないでよ」という主人公の嘆きです。

歌詞を変換すると

“あの頃 君は下着の日焼け痕をやたら気にしていたね

その仕草が 別れた今でもこうして 心をかき乱しているだなんて知るはずもないだろう

あぁどうか僕を独りにしないで”

恨み節

恨み節

ある日君が眠りに就く時 僕の言葉を思い出せばいい
そして自分を責めて 途方に暮れて
切ない夢を見ればいい

ここからの歌詞は少し重めです。

“僕の言葉”これは、「彼女を引き止めようとした時の台詞」であることが想像できます。

“自分を責めて”とは、「私の選択(心変わり)が間違っていた」と悔いること。

「別れた恋人を想う切ない気持ち」が”切ない夢を見る”という行動に繋がります。

それらの意味を踏まえて変換すると

“ある日君が眠りに就く時 僕の言葉を思い出せばいい

そして「別れたのは私の間違いだった」と後悔しながら 悲しみに暮れて

夢の中にまで出てくる程 僕のことを独りで想えばいい”

一方的な恨み節に見えますけど、主人公が背負っている苦しみを元恋人にも味わってもらいたいという悲しい表現だと思うんですよね。

主人公もまた、彼女の言葉を思い出して自分を責めて途方に暮れて切ない夢を見続けていたのかもしれません…。

日常に溶け込む自分

日常に溶け込む自分

とりあえず僕はいつも通り 駆け足で地下鉄に乗り込む
何もなかった顔で 何処吹く風
こんなにも自分を俯瞰で見れる 性格を少し呪うんだ

“いつも通り 駆け足で地下鉄に乗り込む”この一節が、「いつもと変わらぬ日常」を表しています。

“何処吹く風”とは、自分に起こった悲劇すら何処か「他人事」に思えている、そんな表現です。

“自分を俯瞰で見れる”とは、今の自分を自己分析できるてしまう程、冷静な自分(もう一人の自分)がいると言う事です。

では、変換してみましょう。

“心の中は整理できていないけど日常に溶け込まなければ

とりあえず僕はいつも通り駆け足で地下鉄に乗り込む

平気な顔して 失恋だってまるで他人事

こんなにも器用に「日常の自分」を演じる事が出来る そんな自分が少し嫌になる”

胸の痛み

胸の痛み

総ての想いを絶ち切ろうとする度
まとわりつくような胸の痛み
Oh Baby Don't go

ここまでの歌詞の意味を考えれば、”総ての想い”とは一体どんな想いだったのか想像がつきます。

一旦、その想い一つ一つを一気に放出しますのでそのまま下にスクロールしてみて下さい。

まだ消えぬ君への愛

孤独

悲しみ

不甲斐なさ

女々しさ

恨み

これらの想いを総括して一言で表すならば、「とてつもない未練」と言えるでしょう。

では、この一節を変換してみます。

“君への未練を断ち切ろうとする度

癒えない心の傷が疼く

僕はまだ君の側に居たかった”

桃色のケロイド

桃色のケロイド

ある日君が眠りに就く時 誰かの腕に抱かれてる時
生乾きだった胸のかさ蓋がはがれ
桃色のケロイドに変わればいい
時々疼きながら 平気な顔をしながら

歌詞の最後は、彼女だった君への恨み節でこう締め括られています。

“生乾きだった”とは、「君が僕のことを忘れかけた頃」。

“ケロイド”を調べると、「傷あとが大きく盛り上がったもので、少しずつ拡大してゆくのが特徴」と出て来ます。つまりこの歌詞でいうところのケロイドとは、「なかなか治らない心の傷跡」を意味しています。

まとめて変換するとこうです。

“ある日君が眠りに就く時 誰かの腕に抱かれてる時

忘れかけていた僕への感情を思い出して

いつまでも心に残る傷痕に変わればいい

時々疼きながら 平気な顔をしながら”

渇いたkissが支持され続ける理由

では、最後に渇いたkissが、何故こうも支持され続けて来たのか、その理由をご説明しましょう。

先に結論を言ってしまうと

渇いたkissは、「深層心理に響く歌であり心の奥深くに押さえ込んだ感情を代弁してくれる歌」だからです。

日常の中で平然を装って生きる主人公。行き場のない感情を大好だった元恋人にぶつけて、嫌いになろうとするけどなれなくて結局、気持ちが整理し切れないまま日常に流され続ける…そんな様がこの歌詞から見て取れるわけですが、これに似た苦しみって誰もが経験する事だと思うんですよね。

恋愛に限らず、仕事でも学業でも何でも、自分がいま抱え込んでいる問題や心の傷をひた隠しにして、この主人公の様に平然を装って日常に溶け込んでいる。そういう方って結構いると思います。

そういう方々からすれば、この歌詞に出てくる主人公は、自分達が押さえ込んでいた素直な感情を吐露してくれる代弁者とも言えます。

で、動画だとこの部分についてもっと長々と説明しているので、気になる方はぜひ動画版をご視聴ください。この記事よりも更に細かく歌詞の意味を考察しています。

ではまた!

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2件のフィードバック

  1. 桜井さんて地下鉄に乗るのかなて当時思いましたねw 僕は彼女に振られていつも通り軽自動車に乗り込みました笑

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